原則1−2.
【株主総会における権利行使
 

 

 【原則1−2.株主総会における権利行使】

上場会社は、取締役会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主の視点に立って、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備を行うべきである。

 

 

〔形式的説明〕

この原則は、「株主総会が株主との建設的な対話の場であることを認識し、株主の視点に立って、株主総会における権利行使に係る適切な環境整備を行うべき」と求めていますが、この「株主総会が株主との建設的な対話の場である」と原則に書かれています。株主にとっての株主総会は、議決権行使等を通じて企業に対して直接意見を発信することのできる数少ないチャンスである、ということが述べられています。

日本の上場企業は、会社法をはじめとした法令に従って、瑕疵がない法的な手続を最大限に重視した株主総会の運営をしています。たしかに隙のない運営ではありますが、多くの上場会社の株主総会の開催日が一時期に集中してしまうことや、株主名簿に記載された名義株主を前提とした出席者の規制などは、信託銀行やカストディアンの名義で実質保有する機関投資家にとっては招集通知の検討期間が短すぎると感じられたり、総会への出席もままならないといった事情から、実質的に株主としての権利が制約されていると考えられる傾向にあります。

そのような事態の改善と、そもそもは上場会社の株主総会の現行の法令に則った運営というのは、かつての総会屋などの特殊株主が株主総会での行動を制約することを目的のひとつとしてしていたもので、それを変えていこうというものと考えられます。では具体的にどうしていくか、については補充原則で列挙されています。それはまた、視点を変えてみると、法定の記載事項以外の事項の記載をしている上場企業はは少なく、したがって、ほとんどの企業は法定記載事項のみで、そこに書かれている内容についても抽象的で表層的な記述に留まっているところがほとんどです。

これに対して、アメリカなどの海外の招集通知は、ガバナンス部分の記載は情報が豊富で、例えば、役員報酬関する情報では、個人別報酬額竹でなく、個人別の報酬額、個人別の報酬制度の詳細な説明が載せられています、また役員選任議案では選任理由が記載されている場合も少なくありません。では、日本の招集通知はどうかというと、役員報酬の個人別支給額や、選任議案がない任期中の役員の保有株数や経歴は、有価証券報告書に記載されているだけです。有価証券報告書は原則として株主総会終了後に金融庁に提出されるため、株主総会前に見ることはできません。海外の機関投資家にとっては不慣れな日本語で書かれ、英訳はありません。独立役員の独立性の判断理由や現体制を選択している理由といった法定外の情報は、企業が自主的にホームページ等で公表している場合を除き、コーポレートガバナンス報告書で見るしかありません。ただし、コーポレートガバナンス報告書は更新の時期は一定でなく、実際の変化があっても更新がずれることがあります。このように株主総会前に招集通知からだけでは、それらの情報を十分に得ることはできないのです。そこで、海外の機関投資家などからは情報開示が十分でないと見られてしまいがちなのです。

 


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