補充原則2−2.@
 

 

 【補充原則2−2.@】

取締役会は、行動基準が広く実践されているか否かについて、適宜または定期的にレビューを行うべきである。その際には、実質的に行動準則の趣旨・精神を尊重する企業文化・風土が存在するか否かに重点を置くべきであり、形式的な遵守確認に終始すべきではない。

 

〔実務上の対策と個人的見解〕

原則において「行動基準」の策定と実践が謳われ、それを担保するために、この補充原則では取締役会で定期的にレビューすること、その際には形式的な遵守確認にとどまらず、実質的な内容としての企業文化や風土が保たれているかに重点を置くことを義務付けています。これは、企業文化を経営陣が維持されているかを実際にチェックするという、ポジティブな内容になっています。

実際のところ、企業文化・風土が、取締役会がレビューしているからといって存続するとは限らないものであり、レビューしていなくても堅固に根づいている場合もあります。まして、原則で形式的な行動基準の遵守確認にとどまっていてはいけない、とされています。だから、実際のところ、取締役会としては、どのようにレビューを行なうかを真摯に検討すると、たいへん難しい課題であるとも言うことができます。

おそらく、企業に投資をする機関投資家やアナリストの側でも、企業の業績や成長性を見ていくための重要な要素と認識しているものの、いわゆる企業の側の用意したプレゼンテーションや説明では捉えきれないと考えているものではないでしょうか。このような人々は自ら足を運んで企業の現場の空気とか雰囲気などで感じ取っているケースが多いのではないかと思います。企業の側が何を説明するか、というより、どのように説明するか、をむしろ注目している。

このようにことに対して、企業の経営が高い意識を持っていることは重要ですが、ここで具体的に内容について開示して説明することは大変難しいと考えられます。

 

〔開示事例〕

大東建託

年1回開催する全社員参加の経営計画発表説明会にて、社長をはじめとする経営陣が直接説明・確認を行い、全社員への浸透を図っています。

 


関連するコード        *       

基本原則2.

原則2−1.

原則2−2.

原則2−5

補充原則2−5.@

基本原則4.

基本原則5.

 
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