補充原則4−8.@
 

 

 【補充原則4−8.@】

独立社外取締役は、取締役会における議論に積極的に貢献するとの観点から、例えば、独立社外者のみを構成員とする会合を定期的に開催するなど、独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図るべきである。

 

〔形式的説明〕

@この補助原則が求めていること

この補充原則は独立社外取締役を複数名設置すればその存在が十分に活かされる可能性が高まるという原則4−8の背景説明で提示されていた考え方を踏まえて、複数名の独立社外取締役を選任した場合に、他の独立社外取締役との情報交換・認識共有を図ることにより、独立社外取締役の間で率直かつ有益な意見の形成・共有がなされて、独立社外取締役が取締役会における議論に積極的に貢献することを図るという目的です。

この方法や頻度などは、当事者である各社外取締役の合理的な判断によることになるというものです。参考例として英米の企業では、executive sessionと呼ばれる類似の会合が定期的に開催され、非業務執行取締役の監督機能の実効性確保に役立てられているといいます。なお、パブリックコメントでの質疑応答の中で、このような会合は独立社外取締役だけでなく社外監査役を加えることは、もちろん考えられることで、必要に応じて社内者に会合への参加や説明を求めることも認められるという見解が出されています。

Aこの補助原則の解釈

この原則の文言をよく読んでみれば、「社外者のみを構成員とする会合を定期的に開催する」ということは、一つの例として示されているたけで、その後に「など」という一言がそえられていることからも、この制度だけをさして、この開催をするか否かを検討することを述べているのではない、と考えられます。この原則の趣旨は、その後に続く、「独立した客観的な立場に基づく情報交換・認識共有を図る」ということです。だから、独立社外取締役が独立した立場で情報を得て議論できるようにすればいいということです。だから、企業によっては取締役会以外の場を設けて社外取締役や社外監査役に集まってもらって取締役会の議題や企業の状況をレクチャーしている場合には、その場で当然出席者の間で、あるいは説明する社内者との間で議論が行われているはずです。それは、見方によれば、ここで求められている会合に該当する可能性は高いと思います。また、監査等委員会設置会社や指名等委員会設置会社では、そもそもその委員会自体が過半数の社外取締役で構成されているわけですから、この原則で求めれている会合に該当すると考えられる可能性はきわめて高いと考えられます。

日本の上場企業の大多数を占める監査役会設置会社では、独任制で強い調査権限を監査役は、取締役会での議決権を持ちません。社外の場合でも監査役は、内部監査部門や会計監査人との連携、内部通報制度等の仕組み、監査役会を通じた業務執行役員からの情報収集と監査役間の情報共有など、情報を入手する様々な仕組みがあります。これに対して、社外取締役は議決権を有してはいますが、せいぜいのところ事務局からの取締役会の事前説明程度しかなく、社内情報に接する機会は限られています。両者の権限で足りない部分を補い合うために、情報交換や認識の共有の場を設けることは効果的です。多くの日本企業において、社外取締役は1人しかいません。そこで、いくら独立した立場とはいっても、会社の事業内容や社内事情に精通していないにもかかわらず、取締役会で意見を述べたり、時には取締役会の決議で大勢に反対の表明をするのは、実際のところ難しいところがあるでしょう。そこで、このような監査役と社外取締役による会合を実施するとともに、とこで討議したテーマなど可能なものを任意開示することは株主や投資家が実効性を確認するためには、たいへん有効であると考えられます。また、原則4−13の社外役員へのサポートのひとつとして捉えることもできます。

 

〔開示事例〕

資生堂

当社では、社外取締役3名・社外監査役3名の計6名の独立性の高い社外役員を選任しています。

 社外取締役を含む社外役員が期待される役割を十分に発揮することができるよう、新任時に当社が属する業界、当社の歴史・事業概要・戦略等について研修を行うほか、取締役会資料の事前提供を行っているほか、必要に応じて全取締役と全監査役のミーティングを開催するなど、情報交換や情報共有に資する取り組みを行っていますが、独立社外取締役のみを出席対象とするミーティングや独立社外取締役の中の筆頭者の設定などは行っていません。

 コーポレートガバナンス・コードで例示されているこれらの取り組みが当社にとって有効であるかどうか等については、現在検討を進めています。

 

〔Explainの開示事例〕

亀田製菓

当社は、次の理由から「独立社外者のみを構成員とする会合」を設置しないことといたします。

・「独立社外者のみを構成員とする会合」は、取締役のうち社外取締役の人数が少なく、当該意見が反映されづらい環境を是正するために有効  と考えますが、当社は社外取締役を4名選任しており、発言しやすい環境にあると考えます。

・社外取締役はそれぞれ卓越した知見をもっており、それを個々に発揮することが求められていますが、「独立社外者のみを構成員とする会合」を設置することにより、ある種の共通認識が形成され、当該認識に対する反対意見を述べづらいなど、その独立性を弱める可能性があります。

・社外取締役に対し、当社の重要会議の議事録・報告等を同じ分量・内容で提供し、個人によってばらつきが出ないようにすることで、認識の共有は十分に図られると考えております。

 

本多通信工業

独立社外取締役が複数となった時点で検討します。


関連するコード        *       

原則1−7.

基本原則2.

原則2−2.

補充原則2−2.@

基本原則3.

原則3−2.

補充原則3−2.@

補充原則3−2.A

基本原則4.

原則4−4

補充原則4−4.@

原則4−7.

原則4−8.

補充原則4−8.A

原則4−9.

原則4−10.

補充原則4−10.@

補充原則4−13.@

補充原則4−13.B

 
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