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第301条、302条 株主総会参考書類
及び議決権行使書面の交付等
 

 

Ø 株主総会参考書類及び議決権行使書の交付等(301条、302条)

301条─書面投票の決議をした場合

@取締役は、第298条第1項第3号に掲げる事項を定めた場合には、第299条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権の行使について参考となるべき事項を記載した書類(以下この款において「株主総会参考書類」という。)及び株主が議決権を行使するための書面(以下この款において「議決権行使書面」という。)を交付しなければならない。

A取締役は、第299条第3項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類及び議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、株主の請求があったときは、これらの書類を当該株主に交付しなければならない。

302条─電子投票の決議をした場合

@取締役は、第298条第1項第4号に掲げる事項を定めた場合には、第299条第1項の通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、株主総会参考書類を交付しなければならない。

A取締役は、第299条第3項の承諾をした株主に対し同項の電磁的方法による通知を発するときは、前項の規定による株主総会参考書類の交付に代えて、当該株主総会参考書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができる。ただし、株主の請求があったときは、株主総会参考書類を当該株主に交付しなければならない。

B取締役は、第1項に規定する場合には、第299条第3項の承諾をした株主に対する同項の電磁的方法による通知に際して、法務省令で定めるところにより、株主に対し、議決権行使書面に記載すべき事項を当該電磁的方法により提供しなければならない。

C取締役は、第1項に規定する場合において、第299条第3項の承諾をしていない株主から株主総会の日の1週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、法務省令で定めるところにより、直ちに、当該株主に対し、当該事項を電磁的方法により提供しなければならない。。

 

ü 書面投票制度の決議をした場合の株主総会参考書類及び議決権行使書の交付(301条1項)

取締役会の株主総会招集の決議によって、株主総会の開催が決まりますが、その際の決議事項として書面投票を行う旨の決議をした場合(公開会社の場合には、一般的に書面決議を行っています)には、株主が書面で投票するするための専用の用紙である議決権行使と、投票する際の判断に必要な資料として株主総会参考書類を招集通知に添付して、株主に交付(実際には送付)しなければなりません。

ü 書面による議決権の行使(書面投票制度)(311条1項)

書面による議決権行使、いわゆる書面投票制度は、株主総会の招集者が、総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使する旨を定めることができ(298条1項3号)、その定めをした場合、招集の通知に際して、法務省令の定めるところにより、株主に対して、議決権行使の参考書類及び議決権行使書を交付し(301条)、株主は議決権行使書面に必要事項を記載し会社に送付することによって議決権を行使できる(311条)という制度です。すなわち、書面投票制度は、株主自身が株主総会に出席することなく議決権を行使できるための便宜を会社が図る制度です。

議決権を有する株主が1000人以上の会社においては、この書面投票制度を採用することを法律上強制されています(298条2項)。このような会社は、通常、株主の分散度(株主が地域的に分散している程度)が高く、直接に株主総会に出席できない株主が多いので、そのような株主にも議決権行使の機会を与えて、できるだけ多くの株主の意思を株主総会に反映させようとしたものです。

ü 書面による議決権の行使の方法、効果(311条2項)

総会に出席しない株主は、議決権行使書面に、各議案に対しての賛成、反対等の記載をして、これを総会の前日までに会社に提出して、つまり前日までに会社に届くように送付して、議決権を行使します。賛否の記載のない議決権行使書面が提出された場合には、議決権行使書面又は招集通知に、その場合の取り扱いについての記載があれば、その記載通りの取り扱いをすることができ(「白紙の場合は賛成とみなす」)、その記載がなければ無効として取り扱うことになります。

書面による議決権行使は、出席したのと同じ取り扱いがなされ、その議決権の数は出席した株主の議決権の数に算入されます(2項)。

会社に提出された議決権行使書面は総会終結の日から3ケ月間、本店に備え置かれ、株主はこれを閲覧・謄写することができます(3項、4項)。これは書面に記載されたとおりに取り扱われたかどうかを確認する手段を与えるためです。

ü 書面投票制度─議決権行使書の利用

議決権行使書を株主総会の前日までに送付して、それで決議に参加するという制度です。上場会社では一般的になっているので、当たり前と思われる人がほとんどだと思います。しかし、この条文で利用する場合にはその旨となっているので、利用しなければならないわけではないのです。

そもそも議決権行使書という文書は昭和56年の商法改正により導入されたものです。それ以前には、議決権行使書と、このベースとなる書面投票制度というものはありませんでした。株主総会というのは、本来、株主が出席して、その場で議論を交わして熟議の末に投票を行い決議をすることで重要事項を決めるというものです。これは株主総会に関わらず会議というシステムはそれが原則です。例えば国権の最高機関である国会において本会議に出席せず、議案について書面で投票するなどということがあるでしょうか。議案について会議の場で議論を進めることで、自分とは異なる視点の意見や情報を得ることができたり、他人に自分の考えを説明することで再確認したりと議案に対する認識が深まることになるわけです。そのプロセスにおいて、以前に気付かなかったことを知らされ従来の意見を転換する可能性だってあるはずです。それが会議で議論をする意味です。これは、民主主義での多数決を正当化するために様々な議論が議会制民主主義の当初からあって、熟議によって意見が集約の方向に向かい一般意思に近づいていくというモデルが一般に認められるようになっている、というのがベースにあるのです。権威筋を持ち出すなら、公法学のケルゼンやラートブルッフといった人たちによる多数決原理、つまり、多数者による少数者の説得のために両者の討論があり、その結果としての少数者の多数への賛同・承認をたどることを意味するし、さらにいえば、この過程において少数者の意見も多数者の意見に近づくとともに、多数者の意見も少数者の意見に近づき合うという相互のあいだに、多数少数意見が転化しあい、交替し合う可能性が常にあると言う中で多数決による決議に参加者が納得することになるというわけです。

では、以前は株主総会に出席できない株主はどうしていたのか、実務担当者が気になるのは、どうやって定足数を確保していたかということでしょう。その際には委任状が使われていました。よく、何かの団体のメンバーである人ならば総会があると招集通知が送られてきて、出席できない場合には委任状を提出して下さいいと言われると思います。それと同じことが株主総会で行われていました。では、委任状ということでやっていたのを書面投票制度などという株主総会に特有のことを始めたのでしょうか。それは委任状と書面投票制度を比較しながら見ていくと分かってくると思います。

委任とは、自分は会議に参加できないから、会議に参加できる信頼に足る人に自分の分を代理して投票してもらうという内容です。端的に言えば、本人は会議の決議に自分の意志を投票するのではなくて、意志を他人に預けてしまうのです。だから、本人がある議案に賛成の考えをもっていても委任された人が反対の投票をすることもありうるのです。委任された人は会議に出席するので、上で説明した多数決原理による議論→投票のプロセスに参加するわけです。その際に議論の中で反対の説得に応じる可能性があるのです。その時、委任した人の意向に委任された人は縛られないのです。そうでなければ会議の議論に参加できませんから。だから、委任状の場合は会議の意味がかろうじて保たれることになるわけです。

こうして見ると、書面投票制度そのような本来の会議の意味を、言わば、端折って、議論に参加することなく事前に書面で議案に対する賛否を投票してしまうということは、会議の趣旨に反する行為のはずです。

もうすこし根本的として、会議形式で議論をして決議という結果を出すということは、どういうことかを考えて見ましょう。株主総会で言えば、取締役の選任とか会社が今後生き残って成長するために非常に重要なことを決めるわけです。そういうことを決めた選択が会議で多数決で決めたからと言って正しい選択だったとは限らないわけです。では、どうして多数決で決めるのでしょうか。みんなで決めたことだから、と参加者を納得させる(反対者を諦めさせる)ためでしょうか。たしかに、そういう効果もあるでしょう。しかし、それが間違っていたら誰が責任をとるのか、選んだ全員ですか。それでは責任が有耶無耶になってしまいます。そうではなくて、この背景には様々な意見や見方を持った人が集まって意見を出し合って、十分な議論を行うということ、これを熟議といいますが、この結果として生まれた結論は絶対に正しいと確言することはできないかもしれませんが、限りなく正しいに近いものとなるだろうと推測される、ということなのです。だから、会議で一番大切なのは熟議というプロセスのはずなのです。しかし、議論の前に書面で賛否を投票してしまうということは一番大切なはずの熟議を省略してしまうことになってしまいます。それでは株主総会の結果が正しいという根拠が否定されてしまうことになってしまいます。私は研究者ではないので、このような根拠を説明した学説や論文を聞いたことがないのですが、たぶん誰も考えていないのではないかと思います。

では、どうしてこのような制度が導入されているのかといえば、この制度が導入された昭和56年の商法改正の時点を状況を考えると、当時の株主総会は総会屋と言われる団体が跳梁跋扈していた時代で、彼らの株主総会でのパフォーマンスのひとつに株主から委任状を集めて、ある程度まとまった議決権の委任を受けて、株主総会の決議について、「我々の協力がなければ株主総会の決議は成立しない」と脅しをかけたり、株主総会の議場を混乱させたりするという方法がよくとられていました。それを行なわせないために、株主がたとえ株主総会当日に出席できなくても、他人に委任するのではなく、選挙の不在者投票のように自身の投票を事前に書面で行なわせるという方法を導入したのでした。こうすれば、総会屋は委任状を集めようとしても、同じ程度の労力で自分で投票できるのですから、何も他人に任せることもなくなります。このような制度導入の趣旨を考えれば、総会屋の活動がほとんどなくなったに等しい状態となり、委任状争奪のプロキシファイトもほとんど起こらない、と言うことを考えれば、本来の会議のあり方から外れた書面投票という制度そのものをやめてしまうことを考えてもいいのではないか、思います。

株主総会に対して、「開かれた総会」ということが謳われて何年もたっていますし、最近のコーポレート・ガバナンス・コードの中でも会社と株主との対話(エンゲージメント)が熱心に説かれていることなどから、株主総会という会議体を本来の会議で議論して結論を出すという形態に戻すことを考えてもいいのではないか。そのためには、株主だって、投資しているのだから自分で足を運んで株主総会に出席するくらいのことは自発的に行なうべきだし、それを前提に株主総会を行なうということを考え直してもいいのではないか、と思います。

株主総会で事前に書面投票で決議はほとんど成立することになっているなどということが、すでに分かってしまっていれば、わざわざ総会の議場に出向いて決議に参加する意味もなくなってしまうし、そんな状態で、果たして経営者と株主との間で対等な対話ができるかは、甚だ疑問です。

ü 議決権行使書面

・議決権行使書面の内容(一般的な記載事項)

議決権行使書面は会社法施行規則に従って作成します。それによると、議決権行使書面に記載しなければならない必須事項は次の通りです。(会社法施行規則66条)

@各議案についての賛否を記載する欄

−2以上の役員等の選任議案の場合、各候補者の選任についての賛否

−2以上の役員等の解任議案の場合、各役員等の解任についての賛否

−2以上の会計監査人の不再任議案の場合、各会計監査人の不再任について賛否

A賛否の記載がない場合の取扱い(賛成、反対、棄権)の内容

B議決権を行使すべき株主の氏名・名称

C行使することができる議決権の数(以下の事項を含む)

−議案ごとに行使できる議決権数が異なる場合、議案ごとの議決権数

−一部の議案につき議決権を行使することができない場合、議決権を行使することができる議案又は議決権を行使することができない議案

D同一の株主が書面投票と電子投票の両方を行った場合の取扱いを定めた場合は、その内容

E議決権行使期限

実務上は、多くの上場会社は株主名簿管理人である証券代行(信託銀行等)に議決権行使書面の集計を代行してもらっているため、信託銀行に議決権行使書の作成を代行してもらっています。上場会社は、信託銀行の作成した原稿案を確認し、承認するだけというわけです。

ü 株主総会参考書類

株主が書面によって議決権を行使するには、決議について適確な判断をするために必要な事項を知らされなければなりません。そこで、株主総会の招集通知に、議決権行使についての参考となるべき事項を記載した書類、つまり参考書類を添付しなければならないものとされています。(会社法288条、301条)その懈怠については、罰則の制裁があるほか、招集通知の法令違反として決議取消自由になる可能性があります(会社法831条1項1号)。そして、その内容は、会社法施行規則に、参考書類に記載しなければならない事項として、それぞれの議案ごとにそれについての説明等があげられています。

・株主総会参考書類の内容(一般的な記載事項)

参考書類は会社法施行規則に従って作成します。それによると、参考書類に記載しなければならない必須事項は次の通りです。会社法施行規則73条1項)

@議案

参考書類では、「議案」が記載事項とされています。「議題」については記載を明文で規定されているわけではありませんが、「議案」がどの議題に関するものであるかを明確にするために、このように「議題」と併せて記載するのが一般的です。

この場合、狭義の招集通知の目的事項(決議事項)の記載と食い違わないようにしなければなりません。

※議案と議題

「議題」は株主総会の招集に際しての株主総会の目的となる事項です。これは取締役会で決議され(会社法298条1項2号)、株主に対して会議に前もって通知されなければなりません(会社法299条1条)。これに対して、「議案」は「議題」の具体的な提案内容のことであり、決議されるべき事項です。

そして、議題と議案の違いは次のような効果の違いとなって現れます。

@)取締役会設置会社では会社側が定めた議題以外の議題は、株主が、1%以上の議決権を持っていないと提出できない(303条1項)。逆に議案は、単独株主でも、株主総会で提案することができる(304条)。

A)議題に関係ないことについては、役員は説明義務を負わない(314条1項ただし書)。

例えば、「剰余金処分の件」というのは議題ですから、招集通知に記載されていて、株主総会で議決できるので、会議場で当日議題として提案されても、取り上げることはできません。これに対して、議案は剰余金を1株あたり○円とするという決議内容を含むので、議場で修正の提案をすることができます。

A提案の理由

B総会に提出する議案等について監査役の監査の結果、法令・定款違反等があった場合の調査結果

上記以外に、株主の行使について参考となると認める事項について記載することが出来ます。(同条2項)つまり、必須事項以外でも株主が議案に関して判断する参考となるものであれば追加して記載してかまわないということです。

株主総会参考書類は、株主総会に出席しない株主が議決権を行使するための参考とする資料となるものですから、株主が判断するために必要な情報が記載されていなければなりません。そこで、重要な議案については施行規則の中で記載事項が定められています。

・株主総会参考書類の内容(役員選任議案)

取締役の選任は株主総会の普通決議、つまり議決権を行使できる株主の議決権の過半数(定款で定足数を3分の1以上に定めた場合はその割合以上)を有する株主が出席し、その出席した株主の議決権の過半数(定款で、それを上回る割合を定めた場合は、その割合以上)の賛成で成立します(329条)が、定款の定めによっても、その定足数を、議決権を行使することができる株主の議決権数の3分の1未満と定めることはできません(341条)。

ここでは、取締役選任議案を中心に見ていきたいと思います。監査役選任議案は、取締役選任議案とほとんど同じですが、若干の点で異なるところがあるので、後で別に異なる点を中心に見ていきたいと思います。

見本として、いわゆる参考書類のモデルをサンプルとして、それに即して説明していくことにします。まずは、サンプルの中で赤字で番号を振った項目ごとに説明しますので、サンプルと照らし合わせながら読んでいただきたいと思います。

@議案(73条1項1号、以下法令名が省略されている場合は会社法施行令)

ここには、通常は、株主総会で決議すべき事項が議案として記載されます。取締役選任議案における決議事項は次の点です。

(@)選任する取締役の員数(「○名選任」するということ)

(A)取締役候補者の氏名

A提案の理由(73条1項2号)

取締役の選任の場合には、人数を含め、選任を必要とする理由が提案の理由に当たると考えられます。

B候補者の氏名、生年月日及び略歴(74条1項1号)、候補者の有する当該株式会社の株式の数(74条2項1号)

(@)氏名

(A)生年月日

(B)略歴

(C)候補者の有する当該株式会社の株式の数(種類株式発行会社にあっては、株式の種類および種類ごとの数)

(D)候補者が当該株式会社の取締役に就任した場合において施行規則121条7号に定める重要な兼職(事業報告に記載すべき重要な兼職)に該当する事実があることとなるときは、その事実

(E)候補者が現に当該株式会社の取締役であるときは、当該株式会社における地位および担当(74条2項4号)

C就任の承諾を得ていないときは、その旨(74条1項2号)

D公開会社かつ他の会社の子会社であるときの記載事項(74条3項1号、2号)

(@)候補者が親会社等(他の子会社も含む)の業務執行者である場合は、当該親会社等における地位及び担当

(A)候補者が過去5年間に親会社等(他の子会社を含む)の業務執行者であったことを当該親会社が知っている場合には、当該親会社等における地位及び担当

E候補者と株式会社との間に特別の利害関係があるときは、その事実の概要(74条2項3号)

F社外取締役候補者に関する記載

(@)社外取締役候補者である旨(74条4項1号)

(A)その者を社外取締役候補者とした理由(74条4項2号)

(B)現に当該会社の社外取締役である場合において、当該候補者が最後に選任された後在任中に、当該会社において法令または定款に違反する事実その他不当な業務の執行が行なわれた事実(重要でないものを除く)があるときは、その事実ならびに当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要(74条4項3号)

(C)当該候補者が過去5年間に他の会社の取締役、執行役または監査役に就任していた場合において、その在任中に、当該他の株式会社において法令または定款に違反する事実その他不当な業務の執行が行なわれた事実があることを当該会社が知っているときは、その事実(重要でないものを除き、当該候補者が当該他の株式会社における社外取締役または監査役であったときは、当該事実の発生の予防のために当該候補者が行った行為及び当該事実の発生後の対応として行った行為の概要を含む)(74条4項4号)

(D)当該候補者が過去に社外取締役または社外監査役となること以外の方法で会社(外国会社を含む)の経営に関与していない者であるときは、当該経営に関与したことがない候補者であっても社外取締役としての職務を適切に遂行することができるものと当該株式会社が判断した理由(74条4項5号)

(E)当該候補者が次のいずれかに該当することを当該株式会社が知っている時は、その旨(74条4項6号)

A)当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者であること。

B)当該株式会社または当該株式会社の特定関係事業者から多額の金銭その他の財産(これらの者の取締役、会計参与、監査役、執行役その他これらに類する者としての報酬等を除く)を受ける予定があり、または過去2年間に受けていたこと。

特定関係事業者とは次の要件に当てはまるものをいい、これは社外取締役候補者と会社との利害関係を明確にするための開示です(2条3項)。

・当該会社の親会社ならびに当該親会社の子会社及び関連会社

・当該会社の主要な取引先

C)当該株式会社または当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者の配偶者、三親等以内の親族その他これに準ずるものであること(重要でないものを除く)。

D)過去5年間に当該株式会社の特定関係事業者の業務執行者となったことがあること。

E)過去2年間に合併、吸収分割、新設分割または事業の譲受け(以下「合併等」という)により他の株式会社がその事業に関して有する権利義務を当該株式会社が承継または譲受けをした場合において、当該合併等の直前に当該株式会社の社外取締役または監査役でなく、かつ、当該他の株式会社の業務執行者であったこと。

(F)当該候補者が現に当該株式会社の社外取締役または監査役であるときは、これらの役員に就任してからの年数(74条4項7号

(G)当該候補者と当該株式会社との間で会社法427条1項の契約(責任限定契約)を締結しているときまたは当該契約を締結する予定があるときは、その契約の概要(74条4項8号)

(H)以上の社外取締役に関する記載事項についての当該候補者の意見があるときは、その意見の内容(74条4項9号)

・株主総会参考書類の内容(剰余金の処分議案)

@議案(73条1項1号、以下法令名が省略されている場合は会社法施行令)

ここには、通常は、株主総会で決議すべき事項が議案として記載されます。この場合、狭義の招集通知において会議の目的事項の決議事項として記載されている事項と異動がないように注意しなければなりません。そうでないと、議題が異なるという誤解を招く危険が生じます。剰余金の配当を行う場合の決議事項は次の点です(会社法454条1項)。

(@)配当財産の種類及び帳簿価額の総額

(A)株主に対する配当財産の割り当てに関する事項

(B)当該剰余金の配当がその効力を生ずる日

A提案の理由(73条1項2号)

(@)剰余金の配当

この場合の議案の提案理由として、配当性向などの配当方針を詳述して、この方針に従って配当を実施する旨を記載する事例が増えてきました。また、サンプルのように経営の状況の説明を提案理由としている事例が一般的と言えます。

(A)その他剰余金の処分

議案の内容とする剰余金の処分をなぜ行なうのかということが、提案の理由にあたります。

B剰余金の配当(会社法452条)

(@)剰余金の配当議案の項目

剰余金の配当議案がその事業年度に係る期末配当に関するものである場合には、その旨を明確にするために、「期末配当」である旨を記載するのが一般的です。このとき、中間配当を行なった場合には、期末配当における1株あたりの配当額の記載に加えて、中間配当と併せた年間の1株当たりの配当額を併記します。

(A)配当財産の種類及び帳簿価額の総額

一般的には配当金は金銭によるものとなりますので、「金銭といたします。」と記載するケースが多いようです。このサンプルでは、帳簿価額の総額は(2)のところで配当財産の割り当てとともに記載されています。

(B)株主に対する配当財産の割り当てに関する事項

株主に対する配当財産の割り当てに関する事項は、このサンプルでは、「当社普通株式1株につき金●円といたします。」と記載されているところで。その後に、帳簿価額の総額として金銭での配当総額を記載しています。

Cその他剰余金の処分(会社法452条)

株主総会の決議によって、損失の処理、任意積立金の積立その他の剰余金の処分をすることができます。次の3点の決議事項を記載します。

(@)増加する剰余金の項目

(A)減少する剰余金の項目

(B)処分する各剰余金の項目に係る額

この場合、減少する剰余金の項目と増加する剰余金の項目のそれぞれの金額が一致していることの確認を怠らないようにします。

・株主総会参考書類の内容(定款変更議案)

株式会社として成立した後の定款は、原則として株主総会の特別決議により変更することができます(会社法309条2項11号、同466条)。その効力は、株主総会決議の成立時または総会決議に定めた効力発生日に生じることになります。

@議題

「定款変更の件」とすることも考えられますが、定款全部を変更するわけではないので、通常は「定款一部変更の件」と記載します。

A議案(73条1項1号、以下法令名が省略されている場合は会社法施行令)

定款変更議案の決議事項は、次の通りです。

・変更後の定款の内容

B提案の理由(73条1項2号)

以前は「変更の理由」という見出しで記載することが一般的であったため、「変更の理由」として記載するケースもあります。ここでは、そのタイトルの通り、定款変更の理由を記載します。多くの場合は、およその変更の内容を説明することとあわせて、この理由を記載しています。

C変更の効力発生日

ü 電磁的方法による議決権の行使(312条)

株主総会の招集者は、総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使できる旨を定めることができます(298条1項4号)。この電磁的方法による議決権の行使、いわゆる電子投票制度は書面投票制度の議決権行使書面の会社への提出を電磁的記録の提出に置き換えるものです。書面投票制度と併用することも可能です。総会を物理的な場所で開催せず、遠隔通信の方法のみで行う電子総会とは別です。この制度を採用するか否かの判断は、招集者の選択に委ねられており、書面投票制度のように議決権を有する株主の数が1000人以上に会社に強制されてはいません。

電磁的方法による議決権行使が行われる場合には、書面投票制度の場合と同じく、株主に対して株主総会参考書類の交付が行われなければなりません(302条)。

電磁的方法による議決権行使が行われる場合には、招集者は、招集者が電磁的方法により総会の招集通知を発することを承諾した株主に対しては、その通知に際して、議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければなりません(302条3項)。それ以外の株主から、総会の会日の1週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、直ちにその事項を電磁的方法により提供しなければなりません(302条4項)。

電磁的方法による議決権の行使は、株主が、会社の承諾を得て、議決権行使書面に記載すべき事項を記録した電磁的記録に必要情報を記録し、それを法務省令で定める時までに電磁的方法で会社に提供する形で行われます(312条1〜3項)。実際には、会社が指定した議決権行使サイトを利用する方法で行われます。株主は議決権行使サイトにアクセスし、事前に会社から指定されたID(議決権行使コード)とパスワードを入力した上で、議案に対する賛否を表示します。なお、本人確認は、このときのIDとパスワードの入力によって行われることになります。

会社に提供された事項を記録した電磁的記録は、総会の日から3ケ月間、本店に備え置かれ、株主の閲覧・謄写に供されます(4項、5項)。

〔参考〕電子投票を始める場合の手続

@)株主総会招集の決議の際の電子投票をする旨の決議の内容

電子投票制度を採用する場合は、前述のとおり取締役会の決議が必要です。また、電子投票制度採用の取締役会の決議は、株主総会のつど行うのが原則ですが、以後の株主総会においても電子投票制度を採用する旨の包括的な決議をすることも可能です。

また、書面投票であれば、株主総会前日の営業時間終了までに会社に届いたものが有効で、書類というものは、一度送付したら、二度と送付できないものです。これに対して、電子投票は書類のように物体を送付するわけではないので、何度でも投票することが出来ます。したがって、最後に投票したものが有効になります。会社としては、書類であれば、郵送で届くので、原則として11回届くので、前日に届かなければ、それで締め切りですが、電子投票はネットで接続して投票するので時間の制限がありません。そこで、電子投票制度の採用に伴って、特定の時をもって電子投票による議決権行使の期限とする旨を定めることができます。そうするためには、株主総会招集の取締役会において、その特定の時(会社法施行規則第63条第3号ハ)を定めることができます。また、同一の株主が電磁的方法で重複して議決権を行使した場合において、その同一の議案に対する議決権行使の内容が異なるときの取扱いを定めるときは、その事項(会社法施行規則第63条第3号ヘ(2))、同一の株主が書面および伝統表で重複して議決権を行使した場合において、当該同一の議案に対する議決権行使の内容が異なるときの取扱いを定めるときは、その事項(会社法施行規則第63条第4号ロ)を定めること同時に決議することが、実務上を必要です。

A)招集通知への記載

電子投票をする旨の決議をして電子投票を始めるには、狭義の招集通知には「株主総会に出席しない株主が電磁的方法によって議決権を行使することができる旨」を記載しなければなりません(299条第4項)。実務上は、電磁的方法による議決権行使ができる旨および議決権行使サイトのアドレス等を記載しています。

B)株主総会参考書類の交付

電子投票による議決権行使を採用する場合には、株主に対し株主総会参考書類を交付しなければなりません(302条第1項)。なお、会社は、電子投票により総会の招集通知を発することを承諾した株主に対しては、その通知に際して、議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければならないことになっています(302条第3項)。それ以外の株主から総会の会日の1週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求があったときは、直ちに、その株主に対し電磁的方法により提供しなければなりません(302条第4項)。

電子投票による議決権の行使は、株主が、政令の定めに従い会社の承諾を得て、議決権行使書面に記載すべき事項を記録した電磁的記録に必要情報を記録し、それを電磁的方法により会社に提供する形で行われます(312条第1項〜3項、会社法施行令第1条第1項第7号、会社法施行規則第230条)。

電子投票による議決権行使も、書面投票と同様に株主総会の日時の直前の営業時間終了時が議決権行使の期限となります、「特定の時」を定めた場合はその時が期限とすることができます(会社法施行規則第63条第3号ハ、同第70条)。

C)会社の承諾

株主は、電子的投票のうち株主が使用するもの(たとえば、電子メールの送信、会社のウェブサイトの利用、メディア等の交付等。会社法施行規則第230条第2号)、および、ファイルへの記録の方式(添付ファイルを使用する場合の使用ソフトの形式・バージョン等。会社法施行規則第230条第2号)を示し、会社の承諾を得なければならない(会社法施行令第1条第1項第7号)ことになっています。しかし、実務上は、会社が株主名簿管理人などを通じて設置するウェブサイト(議決権行使サイト)を使用する方式のみを承諾することが一般的です。招集通知に、会社が電子投票のやり方を記載して、株主がそのとおりに投票することが現実に行われている実際です。

D)本店備置

会社に提供された事項を記録した電磁的記録は、総会の日から3ヶ月間本店に備え置かれ、株主の閲覧に供されます(312条第4項)

ü 電磁的方法による通知(301条2項、302条2、3項)

書面による招集通知の発出に代えて、株主の承諾を得て、電磁的方法により招集通知を発することができます。このような電磁的方法により招集通知を発した場合においては、書面による招集通知を発したものとみなされます。この招集通知に参考書類を添付するということになります。

電磁的方法による招集通知も、その通知が通常到達すべきであった時に、電磁的方法による提供があったものとみなされます(126条2項、5項)。

書面投票制度を採用した場合には、招集通知の電子化を承諾した株主に対して、株主総会参考書類および議決権行使書面の交付に代えて、これらの書類に記載すべき事項を電磁的方法により提供することができます。ただし、株主の請求があったときは、これらの書類をその株主に交付しなければなりません(301条2項)。なお、電子投票制度を採用した場合には、承諾株主に対して、議決権行使書面に記載すべき事項を電磁的方法により提供しなければなりません(302条3項、会社法施行規則66条1項)。定時株主総会の招集通知を電磁的方法により提供する場合には、事業報告、計算書類および連結計算書類等の添付書類についても、電磁的方法により提供しなければなりません(会社法施行規則133条2項2号、会社計算規則133条2項2号、134条1項2号)。

〔参考〕電磁的方法による通知を行う場合の手続

@)電子化採用の検討・決定

招集通知の電子化を新たに採用しようとする場合には、株主総会の招集に関する基本的な事項として、取締役会で決議します。取締役会で決議すべき事項としては、招集通知の電子化を採用する旨、電磁的方法により送信する株主総会関係書類の名称、電磁的方法の種類および内容、招集通知の電子化に際しては株主名簿管理人の提供するシステムを利用する旨等です。なお、招集通知の電子化を採用するにあたっての取締役会決議は、特段の事情がない限り継続して適用する旨を併せて決議しておくことにより、株主総会の招集のつど決議する手間を省くことができます。

A)決定株主への案内

取締役会での決議をした後、招集通知の電子化を採用した旨を株主に案内する必要があります(そのように予め、株主に知らせておかないと、承諾を得ることがむずかしくなります)。株主に案内する方法として、案内状の送付、案内文のウェブサイト掲載などが考えられますが、周知性の観点からは、個別に案内状(招集通知メール送信勧誘ハガキ等)を送付することが最も効果的であると思われる。なお、案内状を単独で送付するとコストが割高になってしまうため、決議通知、株主通信または中間報告書等の郵送物を送付する機会に同封するか、中間報告書等に案内文言を記載することが効率的です。

B)株主の承諾およびメールアドレス取得

招集通知を電磁的方法によって送信するためには、あらかじめ株主に対して、その用いる電磁的方法の種類および内容を示して、書面または電磁的方法による承諾を得なければなりません(会社法施行令2条1項)。

株主の承諾は書面または電磁的方法により得なければならないとされており、実務上は、前記の株主への案内状とともに承諾書を送付し、それに必要事項の記入を受けて返送してもらう方法や、株主名簿管理人が提供するシステムのウェブサイト上で承諾してもらう方法が採られています。

株主の承諾は株主総会を開催する都度得なければならないものではなく、将来行われる招集通知についてあらかじめ包括的に承諾を得ておくことも可能であると考えられています。実務上は、株主から承諾を撤回する旨の意思表示がない限り、継続して電磁的方法により招集通知を送信するものとして承諾を得るようにします。また、招集通知の電子化を採用する場合には、電子投票制度も同時または先行して採用されていると想定されるため、株主が電子投票を行なう際に、次回以降の招集通知を電磁的方法により提供を受けることについて、ウェブサイト上で承諾を得る方法も採られています。

株主は招集通知の電子化に係る承諾を撤回することができ、株主から書面または電磁的方法により電磁的方法による通知を受けない旨の申出があったときは、会社は株主に対して、招集通知を電磁的方法によって発してはならない(会社法施行令2条2項)ことになっています。

電磁的方法によって招集通知を送信するために株主から承諾を得る際に、併せてメールアドレスを会社に届け出てもらう必要があります。株主が会社に届け出たメールアドレスは、株主名簿に記載または記録しなければならない株主の住所(121条1号)ではなく、株主が通知を受ける場所または連絡先(126条1項)に該当するものと理解されています。

実務上、株主のメールアドレスを取得するにあたっては、株主名簿管理人が提供するシステムのウェブサイト上でメールアドレスを入力してもらう方法が採られています。なお、この方法による場合は、株主への案内状に株主固有のユーザーIDおよびパスワード等を印字しておき、それを株主にウェブサイト上で入力してもらうことにより本人確認を行なうこととなります。また、メールアドレスの登録後、登録完了メールを株主に送信し、株主のメールアドレスが正しく登録されていることを確認するのが望ましい。

C)招集通知の送信

書面による招集通知の発送日に、株主から届出のあったメールアドレスに宛てて、狭義の招集通知の内容を電子メールの本文または添付ファイルとして送信します。電磁的方法による招集通知は、通常到達すべきであった時に、電磁的方法による提供があったものとみなされます(126条2項、5項)。

事業報告、計算書類および連結計算書類等の添付書類ならびに株主総会参考書類については、添付ファイルとして送信すると、データの容量が膨大になり送信コストや送信時間の面で問題が生じるおそれがあります。したがって、実務上は、電子メールの本文にそれらの書類のファイルが掲載されたウェブサイトのアドレスを記載し、そのウェブサイトへの参照リンクを設定することにより、株主が容易に見読できるような措置が講じられています。

〔参考〕実務上の留意点

@)招集通知の不到達

会社から、株主の届け出たメールアドレスに宛てて招集通知を送信したのに、株主がメールアドレスを変更したことなどの事情により、不到達となることがあり得ます。しかしながら、電磁的方法による招集通知も、その通知が通常到達すべきであった時に、電磁的方法による提供があったものとみなされることから(126条2項、5項)、これが到達しなかった場合でも、有効に招集通知が行なわれたことになります。ただし、会社としては、招集手続の適法性について後日争いになった場合に備えて、サーバーの送信記録を保管するなど、招集通知を法定期限までに送信した証跡を残しておく必要があると思います。

なお、電磁的方法による招集通知の不到達が明らかな場合は、不到達となった株主に対して、メールアドレスの確認および変更等を依頼する書面を郵送するか、あるいは書面による招集通知を郵送するなどの措置を講じることも考えらます。

A)ウェブサイトの見読性確保

招集通知の添付書類や株主総会参考書類をウェブサイトに掲載した場合には、株主が総会終結の時まで常時見読できるようシステムの手当てが必要であり、サーバーのメンテナンス等による一時的中断に関しても十分配慮する必要があります。

招集通知等を掲載しているウェブサイトが改竄され、株主が見読できなかった場合であっても、会社が適切なハッカー対策を講じている限り、会社の責に帰すことのできない事由として、株主総会の決議の効力に影響は及ばないと考えられます。

B)議決権行使書面を送付しない取扱いとする場合の留意点

・取締役会の決議

書面投票制度を採用した会社において、承諾株主の請求があったときに議決権行使書面を交付することとするときは、株主総会招集の決定事項として、取締役会でその旨を決議しなければなりません(298条1項5号・4項、会社法施行規則63条4号イ)。議決権行使書面を送付しない取扱いとする場合には、この決議を失念することのないよう留意しなければなりません。

・総会出席株主の資格確認

株主総会に出席する株主に対しては、出席資格の確認のため、あらかじめ株主に送付した議決権行使書面の提出を求めていますが、承諾株主に対して議決権行使書面を送付しない取扱いとする場合は、受付において議決権行使書面を持参しなかった株主と同様の対応をする必要があります。すなわち、受付において、受付票等の用紙に株主の住所および氏名等の記入を求め、それらを株主名簿のデータと照合することにより出席資格の確認を行なうことになります。また、電磁的方法による招集通知に株主番号や電子投票のためのログインIDなど株主確認に資する情報が含まれている場合は、株主総会に出席するに際して招集通知のコピーを持参するよう、あらかじめ記載して案内することも考えられます。総会当日の受付事務を円滑に進める観点からは、電磁的方法で招集通知を送信した場合であっても、従前どおり議決権行使書面を郵送することも考えられます。

C)株主名簿管理人への確認事項

招集通知電子化の事務の殆どは株主名簿管理人が実施することとなるので、招集通知電子化を検討・実施するときには、あらかじめ株主名簿管理人へ次の点を確認しておくことが望ましい。

・招集通知電子化に係る事務手数料

事務作業の増加に伴い、新たな事務手数料が発生することになります。承諾株主の数によっては、事務手数料がコスト削減額を上回る場合もあるので、注意が必要です。

・招集通知電子化に係る事務手数料

事務作業および株主への送達日数の関係上、当該請求期日を議決権行使の締切日より前に設定する必要があるため、あらかじめ株主名簿管理人に当該請求期日の確認をしておくことが考えられます。


 

関連条文

株主総会の権限(295条) 

株主総会の招集(296条)

株主による招集の請求(297条

株主総会の招集の決定(298条)←株主総会招集の決議

株主総会の招集の通知(299条)←株主総会招集の決議

株主提案(303条、304条、305条) 

検査役の選任(306条) 

議決権の数(308条) 

株主総会の決議(309条) 

議決権の代理行使(310条) 

電磁的方法による議決権の行使(312条) 

議決権の不統一行使(313条) 

取締役等の説明義務(314条) 

議長の権限(315条) 

延期または続行の決議(317条)

 
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