新任担当者のための会社法実務講座 第228条 株券の無効 |
Ø 株券の無効(228条) @株券喪失登録(抹消されたものを除く。)がされた株券は、株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日に無効となる。 A前項の規定により株券が無効となった場合には、株券発行会社は、当該株券についての株券喪失登録者に対し、株券を再発行しなければならない。 喪失登録された株券は、登録期間中に抹消されることがないと、喪失登録された日の翌日から1年後に無効となり(228条1項)、無効となった株券を、会社は、その喪失登録者に再発行しなければなりません(228条2項)。 ü
株券喪失登録1年経過による株券無効(228条1項) 喪失登録された株券は、株券喪失登録日の翌日から1年後に無効となります。ただし、この1年間のうちに、喪失登録に対して次のようなことがあった場合は、喪失登録された株券は無効となることはない(229条2項)。すなわち、喪失登録株券の所持人による登録抹消申請により抹消された場合、喪失登録者自身による抹消申請により抹消された場合、株式を発行する旨の定款の規定を廃止したことより抹消された場合、株式の併合等の際に喪失登録者の請求に応じて会社が異議催告の公告をして抹消した場合などです。 無効となった株券は、その占有者を株式の適法の権利者と推定する効力を失い、その効力を前提とする譲受人の善意取得もできなくなります。 株券喪失登録された株券が、株券喪失登録期間満了、株券喪失登録抹消以外で無効となる場合として、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款変更と株券の提出に関する公告をする場合とがある。これらにより無効となった株券の株券喪失登録は、定款変更の場合に株券が有効であった時に喪失登録されたもので、名義人以外からの株券喪失登録申請によるものは、喪失登録の継続が認められ(221条1号括弧書)、登録1年後に単独で株主名簿の名義書換が認められます(133条2項)。株式併合が行なわれる場合は、株券としてすでに無効となりますが、金銭等を受けるべき証券として株券喪失登録を請求することができ、株券が有効のときに申請されていたものは継続されます(221条1号括弧書)。 定款変更の場合は株券廃止後の新規の喪失登録は認められませんが、株券提出の公告の場合は、既にされている登録と新規登録は認められています。 ü
株券喪失登録期間満了による株券の無効と再発行(228条2項) 喪失登録された株券が、登録日の翌日から1年経過した日に無効となった場合には、会社は無効となった日以降、喪失登録者に株券を再発行しなければなりません。 喪失登録者が名簿上の名義人であるときは、株券は、株式の譲渡と質入れのときには必要なだけで、株主名簿の名義書換は必要がありません。これに対して、株式取得者でありながら名義書換を終えていない場合は、喪失登録の1年後に株券が無効となるので、その日に名義書換があったものとみなされます(230条)。 関連条文 第9節.株券 第1款.総則 株券不所持の申出(217条) 株券を発行する旨の定款の定めの廃止(218条)第2款.株券の提出 株券を提出することができない場合(220条) 第3款.株券喪失登録名義人等に対する通知(224条) 株券を所持する者による抹消の申請(225条)株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消(227条) 株券の無効(228条) 異議催告手続との関係(229条) 株券喪失登録簿の効力(230条) 株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等(231条) 株券喪失登録簿に対する通知等(232条) 適用除外(233条)
|