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第225条 株券を所持する者 による抹消の申請 |
Ø 株券を所持する者による抹消の申請(225条) @株券喪失登録がされた株券を所持する者(その株券についての株券喪失登録者を除く。)は、法務省令で定めるところにより、株券発行会社に対し、当該株券喪失登録の抹消を申請することができる。ただし、株券喪失登録日の翌日から起算して1年を経過したときは、この限りでない。 A前項の規定による申請をしようとする者は、株券発行会社に対し、同項の株券を提出しなければならない。 B第1項の規定による申請を受けた株券発行会社は、遅滞なく、同項の株券喪失登録者に対し、同項の規定による申請をした者の氏名又は名称及び住所並びに同項の株券の番号を通知しなければならない。 C株券発行会社は、前項の規定による通知の日から2週間を経過した日に、第2項の規定により提出された株券に係る株券喪失登録を抹消しなければならない。この場合においては、株券発行会社は、当該株券を第1項の規定による申請をした者に返還しなければならない。 株券喪失登録がされた株券を所持する者が所定の期間内に登録抹消申請をすれば、必ず登録は抹消されるので、登録株券が無効となることが防止されて、株券所持人は保護されます(225条)。 喪失登録された株券は、株券喪失日の翌日から1年後の日に無効となります(228条1項)が、その前に株券所持人が株券を提出して、株券喪失抹消登録を申請する(225条1、2項)と、会社は喪失登録者に抹消申請のあったことを通知し(225条3項)、この通知の日から2週間後に喪失登録を抹消しなければなりません(225条4項)。 ü 株券を所持する者による株券喪失登録への抹消の申請(225条1、2項) 株券喪失登録された株券を所持する者は、法務省令、具体的には会社法施行規則48条の定めにより、喪失登録の抹消を申請することができます(225条1項)。この抹消の申請をする際には株券の提出をともに行うことが必要です(225条2項)。 が、その株券を表章する株式の権利を行使するために株券を会社に提出した時は、会社は提出した所持人に対して、その株券が喪失登録されていることを、遅滞なく、通知しなければなりません(224条2項)。そして、抹消申請には、申請者の氏名または名称および住所を明らかにしなければなりません(会社法施行規則48条)。 抹消を申請できる株券を所持する者は、224条2項の株式について権利行使する場合とは異なり、権利行使は要件となっていないので、株券を占有しているものであればよく、株券の占有者であることの権利確定が反対事実の立証により覆される者であっても構わないと解されています。それは、喪失したと主張されていた株券の所在か判明したのだから、その株券を無効としない、ということだけですから。 なお、株券を所持する者であっても喪失登録者は対象外となります(225条1項括弧書)。喪失登録者による抹消申請は226条による手続きが、別にあるからです。 抹消の申請により、株券喪失登録された株券は無効となります。ただし、これは株券喪失登録日の翌日から1年以内にしなければなりません(225条1項但書)。 ü
株券喪失登録者への通知(抹消申請の通知)(225条3項) 株券の所持者から喪失登録の抹消申請を受けた会社は、遅滞なく、喪失登録者に、抹消申請者の氏名または名称、住所および抹消申請された株券の番号を通知しなければなりません(225条3項)。 喪失登録者は、この通知により株券の所持人を知り、自己の株主権を主張して提出された株券の返還を求めることができるようになります。 この通知は、株券喪失登録簿上に記載された喪失登録者の住所に宛てて発信すればよく、通常到達すべき時に到達したとみなされます(232条)。 通知は遅滞なく行わなければなりませんが、遅滞しても、喪失登録者は喪失登録が維持されることに利益があるから、株券所持者による抹消申請の期間内、つまり、喪失登録日の翌日から1年以内に通知をする、ということになる。 ü
会社による株券喪失登録の抹消(225条4項) 会社は、喪失登録抹消申請のあったことを喪失登録者に通知した日から2週間後に、喪失登録を抹消しなければなりません(225条4項)。 通知の日は、原則として、会社が通とを発信して到達すべき日となります。 ・抹消申請通知2週間経過後の株券喪失抹消 登録抹消申請の日に直ちに抹消するのではなく、喪失登録者に抹消申請通知がされた日から2週間後に抹消するとなっています。これは、喪失登録者が、株券の所持人である登録抹消申請者は株券の真の権利者ではないとした場合に、通知後2週間の期間内に、登録抹消申請者が会社に提出した株券について占有移転禁止の仮処分を取得した上で、本訴を提起して株券の返還を求めることができるようにしたためです。 ・喪失登録1年経過後の株券抹消申請(225条1項但書) 登録申請が、喪失登録日の翌日から1年の期間ギリギリに申請された場合、喪失登録抹消申請のあったことを喪失登録者に通知した日から2週間後の登録抹消の前に、株券そのものが無効になってしまう(228条1項)になります。無効となった株券の喪失登録抹消申請は意味がないので、この場合、225条1項但書が優先されて、この株券は無効にならないと考えられます。
関連条文 第9節.株券 第1款.総則 株券不所持の申出(217条) 株券を発行する旨の定款の定めの廃止(218条)第2款.株券の提出 株券を提出することができない場合(220条) 第3款.株券喪失登録名義人等に対する通知(224条) 株券を所持する者による抹消の申請(225条)株券を発行する旨の定款の定めを廃止した場合における株券喪失登録の抹消(227条) 株券の無効(228条) 異議催告手続との関係(229条) 株券喪失登録簿の効力(230条) 株券喪失登録簿の備置き及び閲覧等(231条) 株券喪失登録簿に対する通知等(232条) 適用除外(233条)
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