原則4−12.
【取締役会における審議の活性化
 

 

 【原則4−12.取締役会における審議の活性化】

取締役会は、社外取締役による問題提起を含め自由闊達で建設的な議論・意見交換を尊ぶ気風の醸成に努めるべきである

 

 【補充原則4−12.@】

取締役会は、会議運営に関する下記の取り扱いを確保しつつ、その審議の活性化を図るべきである。

(@)取締役会の資料が、会日に十分先立って配布されるようにすること

(A)取締役会の資料以外にも、必要に応じ、会社から取締役に対して十分な情報が(適切な場合には、要点を把握しやすいように整理・分析された形で)提供されるようにすること

(B)年間の取締役会開催スケジュールや予想される審議事項について決定しておくこと

(C)審議項目数や開催頻度を適切に設定すること

(D)審議時間を十分に確保すること

 

 

〔形式的説明〕

上場企業の中には、実際のところ、取締役会において、経営戦略・経営計画や、経営陣幹部・取締役候補者の人選、役員報酬の配分方法等といった監督の必要性の高い事項であっても、詳細が常務会や経営会議等で実質的に決定され、取締役会での審議は形式的なものに留まるものであったり、報酬の配分について代表取締役へ一任する旨の決議がなされ、取締役会を通じた監督が行われていないケースが多く見られます。この場合、その決議の独立性や客観性について、株主や投資家からの納得を十分得られない可能性があります。せっかく、独立社外取締役を選任して、取締役会に参画してもらっても、当の取締役会において実質的に審議されないのであれば、独立社外取締役を導入した意味がありません。

また、法令上、必ずしも取締役会の審議事項として求められていない事項まで取締役会で審議するなど、審議項目数や開催頻度が多すぎる場合も、逆に十分な審議ができていないことになります。どちらのケースも、取締役会での審議が形骸化してしまっていることに変わりはありません。

原則4−12はこうした状況等を踏まえて、社外取締役の十分な関与を含め、その審議の実質化・活性化のための主体的な取組みを取締役会に対し期待するものです。

補助原則4−12@では、この原則を踏まえて、取締役会での実質的な審議の活性化を図るために、具体的にすべきことを列挙しています。この列挙は例示ではないので、実際にここで列挙されていることを実施するか否かで、コンプライかどうかを判断することになります。

 

 

〔Explainの開示事例〕

大東建託

取締役会は、月1回の頻度で開催し、事業年度の開始前に年間開催スケジュールを取締役及び監査役へ通知し、取締役会に出席しやすい状況を確保しています。

取締役会に上程される事項は、原則として経営会議(業務執行の最高意思決定機関)で事前に審議されることから、業務執行取締役及び常勤監査役は、内容を熟知した上で、取締役会に出席しています。また、社外取締役や常勤監査役以外の監査役には、経営会議の開催通知の写しを送付し、疑義が生じた議題については、事務局へ質問と回答を求めるとともに、必要に応じて経営会議に出席するなどして、必要な事前準備の機会を提供しています。

なお、現在は議題の要約を事前配布していますが、今後要望があれば資料の事前配布を行います。

 


関連するコード        *       

原則1−7.

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原則2−2.

補充原則2−2.@

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補充原則3−2.@

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補充原則4−4.@

原則4−7.

補充原則4−8.@

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原則4−10.

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