補充原則3−1.A
 

 

2021年の改訂されたコードからまず見ていき、改訂前のコードについての説明は、その下に続けます。 

【補充原則3−1A】

上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での情報の開示・提供を進めるべきである。

特に、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである。

 参考として、比較のために改訂前の原則を下に示しておきます

【補充原則3−1A】

上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での情報の開示・提供を進めるべきである。

特に、プライム市場上場会社は、開示書類のうち必要とされる情報について、英語での開示・提供を行うべきである。

  

〔改訂の背景〕

フォローアップ会議では、英文開示については、非英語圏諸国で英文開示を義務づける動き等があることを踏まえて、わが国でも、プライム市場上場会社においては英文開示を積極的に進めるべきと指摘されていました。

このことを踏まえて、今回の改訂では従前では推奨のレベルにすぎなかった英文開示について、プライム市場上場会社は、開示資料のうち必要とされた情報についての英語での開示・提供を行うべきだとしています。この必要とされる情報の範囲については、明瞭ではなく、各社で適切に判断することが期待されていますが、少なくともあらゆる開示書類について英訳を求めるべきというものではないと考えられます。他方、すでに英文開示に取り組んでいる企業の例を参考にすれば、少なくとも決算短信や株主総会招集通知の英訳は必須と考えるのが適当ではないか。また、これら以外の開示書類についても、重要なコーポレートアクションに関する適時開示資料については英訳するのが適切であると考えられます。

〔実務上の対策─開示事例〕

海外投資家等の比率を踏まえ、決算資料、統合報告書、株主総会招集通知、その他IR関連資料等の資料について、海外投資家に向け、ウェブサイトで英語での情報開示を行っている旨を開示している会社があります。

(双日)

当社は、海外投資家等の比率を踏まえ、決算資料、統合報告書、株主総会招集通知、その他 IR 関連資料等、海外投資家に向け、当社ウェブサイトにて英語での情報開示を行っております。

従来実施していた決算短信サマリーの英文開示に加え、決算短信本文、招集通知、有価証券報告書、その他重要と判断した開示書類の英文開示を開始した旨を開示した会社があります。

(チェンジ)

〔コーポレートガバナンス・コードの各原則に基づく開示〕

当社は、2020年度より、従来実施していた決算短信サマリーの英文開示加え、決算短信本文、招集通知、有価証券報告書、その他当社が重要と判断した開示書類の英文開示を開始いたしました。当社は、海外投資家を含むできる限り多くの投資家との対話機会を設けたいと考えておりますので、引き続き英文開示情報の一層の拡充を検討しております。

当社は、議決権電子行使プラットフォームを利用しております。また、当社は、株式会社ICJが運営する機関投資家向け議決権電子行使プラットフォームへの参加を検討しております。

「IRに関する活動状況」の記述で、英語版のIR専用ウェブサイトの中で、決算関連資料、有価証券報告書、株主総会招集通知、プレスリリース、その他業務数値の月次データ等について英語で情報開示している旨を記載している会社があります。

(松井証券)

 

 

 

 【補充原則3−1.A】

上場会社は、自社の株主における海外投資家等の比率も踏まえ、合理的な範囲において、英語での情報の開示・提供を進めるべきである。

 

〔形式的説明〕

海外投資家を対象にした英語での情報開示についてです。これは補充原則1−2.Cにおける株主総会招集通知の英文作成と関連させた扱いということになると考えられます。どちらも自社の株主における外国人比率を踏まえて対応すると述べられているので、各企業の株主構成によって、英文開示を進めるかどうか判断すればいいということになる、と考えられます。

 

〔Explainの開示事例〕

本多通信工業

招集通知の英訳は、20153月末時点で外国法人等の持ち分が5%のため、業務、効率面から未実施。20%を超えた段階で実施します。


関連するコード        *       

原則1−7.

基本原則2.

原則2−2.

補充原則2−2.@

基本原則3.

原則3−2.

補充原則3−2.@

補充原則3−2.A

基本原則4.

原則4−4

補充原則4−4.@

原則4−7.

原則4−8.

補充原則4−8.@

原則4−9.

原則4−10.

補充原則4−10.@

補充原則4−13.@

補充原則4−13.B

 
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