原則2−4.
【女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】
 

 

 【原則2−4.女性の活躍促進を含む社内の多様性の確保】

上場会社は、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保する上での強みとなり得る、との認識に立ち、社内における女性の活躍促進を含む多様性の確保を推進すべきである。

 

〔形式的説明〕

この原則は、社内において異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値感が存在することで、成長の機会の拡大を確保するように求めている。実際には、経歴・年齢・国籍・文化背景等で幅広く多様な人材が活躍できるような場と機会を与え、それらを活かすことを推奨している原則である。この原則の後段において、女性の活躍促進を含むと敢えて断っているのは、女性の活用のみを指しているのではありません。

なお、原則4−11.において取締役会の多様性を求めているので、この原則では、それと重複することはなく、主に従業員レベルでの多様性が対象となっていると考えられます。

 

〔実務上の対策と個人的見解〕

この原則について、多様な人材を確保するということを否定する企業はないでしょう。だから、原則として、この原則に対して、すべての企業がコンプライということになるはずです。

しかし、実際の経営の状況をよく見て、このような原則を敢えてコーポレートガバナンス・コードの中に折り込まれたのは、それなりの理由があるはずです。海外の投資家の視点で考えてみましょう。例えば、かつては世界を席巻した日本製の家電は価格競争では新興国の低価格品との競争に敗れ、ウォークマンのような人々の消費生活に変革をもたらすような画期的な新しい製品や技術をつくれないで、他国のメーカーのルーバーのような新開発後塵を拝しているように見えます。また、新興国の市場展開についても隣国である中国市場への進出についても例えば、自動車のシェアはドイツ車がトップにいると、必ずしも成功している言い難い状況にあります。これらは、技術開発であれば、従来にない新たな視点をもった技術者を受け入れ、活かすような土壌が企業内になくなってしまっているのではないか。また、中国市場で成功するためには、現地の人材の活用が重要な要素を占めるはずですが、それがうまく行っていないのではないか。そういうことのベースとして、日本企業の企業内の人材が硬直化してしまっているのではないかという危惧が、海外の投資家にないとは言えません。そういう海外の投資家の危惧に対して、納得できる回答をすることができるでしょうか。それをこの原則は促しているのではないか、深読みのしすぎかもしれません。

それは、具体的に言えば、原則3.で開示される経営理念や中期的な経営計画に沿って、どのような人材が必要かという人事政策・人事戦略が構築されていて、その中で基本方針が説明されているはずで、それに従って、ここでの人材の多様化はどのように進められるか、と検討されるはずではないか、と考えられます。

 

〔開示事例〕

大東建託

当社では、女性従業員がいきいきと働き、かつ様々なフィールドで継続的に活躍できる職場環境づくりやワーク・ライフ・バランス実現に向けた支援として、以下の4つの項目について積極的に推進しています。

@女性の活躍推進の支援について、社内の意識改革を図ること

A育児・介護等に関する両立支援制度の整備と社内周知

B女性従業員の職域拡大および女性従業員の積極的な採用

C女性従業員のキャリア形成や就業継続等について相談できるシステムの構築

特に、子育てと仕事の両立支援に関しては、従来からの育児休業や短時間勤務に加え、2014 年度より妊産婦向けにマタニティー休業・マタニティー短時間勤務制度を新たに導入し、男性社員向けには、配偶者の出産に伴う特別有給休暇制度を拡充しています。

また、2015 年度より人事総務部内にダイバーシティ推進課を設置するとともに、2015 年6月開催の定時株主総会にて女性社外取締役を選任するなど、女性従業員が安心して仕事ができる環境作りをさらに推進していきます。

(当社のワーク・ライフ・バランスや女性活躍への取り組み:http://www.kentaku.co.jp/corporate/csr/about/p39-40.html)。

 

資生堂 (V株主その他の利害関係者に対する施策の実施状況の3.ステークホルダーの立場の尊重に係る取り組み状況のところで、ダイバーシティーとして説明している)

<社員のダイバーシティ>

資生堂グループでは、さまざまな国や地域で、国籍や性別、年齢、雇用形態の違い、障がいの有無など、多様な属性、価値観、発想を持った社員が働いており、グローバルレベルでダイバーシティを推進しています。また、資生堂グループのお客さまの9割は女性であることから、女性の価値観や生活の現状を理解した上で新たな商品やサービスを提供することが重要と考え、社員の約8割を占める女性社員が経営や事業活動において中核的役割を果たせるようにさまざまな支援策を導入しています。

  ・全世界の資生堂グループの女性社員比率:84.3%(20153月期末現在)

  ・全世界の資生堂グループの女性リーダー比率(※):50.3(20153月期末現在)

  ・日本国内の資生堂グループの女性社員比率:83.7%(20153月末日現在)

  ・日本国内の資生堂グループの女性リーダー比率(※):27.5%(20153月末日現在)

    ※女性リーダー比率とは、「部下を持つ管理職全体に占める女性の比率」を指します。

なお、当社は、政府が掲げた目標(2020)を前倒しし、2016年度中に資生堂グループにおける国内の女性リーダー比率30%をめざすことを宣言しています。

201541日現在の国内の女性リーダー比率は27.2%ですが、数値目標の達成を目的化するのではなく、能力のある人材をリーダーに任用することを前提に、男女の隔たりなく人材を育成することが肝要と考え、引き続き女性リーダーが恒常的に生まれる社内風土の醸成をめざします。

当社の男女共同参画に関する具体的な取り組みや、その実現に向けた育児や介護との両立支援制度等については、資生堂グループ企業情報サイトに掲載しています。 

http://www.shiseidogroup.jp/csr/labor/diversity.html

http://www.shiseidogroup.jp/csr/labor/working.html

 


関連するコード        *       

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